外科は当院開院当初より診療を開始しており、90年の歴史があります。現在、食道から肛門までの消化管疾患、肝胆膵疾患、乳腺・甲状腺疾患、呼吸器疾患、ヘルニアその他の一般外科疾患まで幅広い診療を行っており、年間の手術件数は約700件にのぼります。
外来は火曜日は午前・午後とも医師1名、木・土曜日は医師1名で午前のみ、月・水・金曜は午前・午後とも2名にて診療しております。
当科では患者さまの体に優しく、入院期間も短くてすむ内視鏡手術に積極的に取り組んでおり、内視鏡手術の割合は全手術件数の約7割に達しております。
診察内容
内視鏡外科
(1)内視鏡手術(腹腔鏡・胸腔鏡手術)
内視鏡手術とは、全身麻酔下で5mm~15mm程度の小さな皮膚切開創を3~5所つくり、直径約5mm~10mm程度の内視鏡を体内に挿入し、モニター上に映し出された体内の様子を見ながら、マジックハンドのような手術機器を挿入し手術を行うものです。従来、消化器疾患及び呼吸器疾患に対する手術は大きな皮膚切開創が必要でしたが、内視鏡手術により小さい創で手術が行えるようになりました。
(2)内視鏡手術の長所と短所
内視鏡手術は、術創が小さいため術後の痛みが軽く、手術翌日には、歩行や水分、食事摂取が可能となるなど、術後の回復が非常に早くなりました。一方で、特殊な手術機器が必要である、止血が難しい、開腹開胸手術より手技が難しい等の欠点があるのも事実です。
手術は内視鏡手術の経験豊富な医師が担当し、安全な手術を心がけております。また、安全のために必要があれば開腹開胸手術へと移行させて頂くこともあります。
(3)内視鏡手術の適応疾患
胆嚢・胆管結石症、急性虫垂炎、上部消化管穿孔、大腸疾患、早期胃癌、呼吸器疾患はほぼ全例内視鏡手術で行っています。胆石症や急性虫垂炎では、より低侵襲な単孔式手術(創が1~2ヶ所)を積極的に行っています。成人鼠径ヘルニアや、肝腫瘍においても内視鏡手術の施行例が増加しています。
当科では内視鏡手術を用いた、患者さまに優しい医療を目指しております。内視鏡手術への疑問、御質問のある方はいつでも外科外来までご相談下さい。
肝胆膵外科
特に専門性の高い肝臓、胆嚢・胆管、膵臓における悪性疾患の高難易度手術に対しては、
北海道大学・消化器外科講座と連携し常に質の高い医療を提供することをこころがけて診療にあたっています。
一方で、内視鏡手術が難しいとされる肝胆膵領域においても、膵良性疾患、比較的小さい肝腫瘍など適応を厳選し、内視鏡手術を導入しており、疾患に応じて患者さんの負担の少ない治療法を選択しています。
乳腺外科
当科での乳癌手術症例は年間約70例で、そのうち6~7割に乳房を残す乳房温存療法を行なっています。
乳房温存療法が困難と思われる大きな腫瘍に対しても、手術の前に内分泌療法、化学療法を行うことで乳房温存療法が可能となることがあります。また、センチネルリンパ節生検により腋窩リンパ節切除を省略することで、上肢のむくみや腋窩の知覚障害などの後遺障害の不安が少なくなりました。当科でも積極的にセンチネルリンパ節生検を導入し、昨年度は約6割の症例で腋窩郭清の省略が可能となりました。
また、マンモグラフィ読影認定医5名をそろえ、年間約1800例の乳癌検診を行っています。乳癌検診では、腫瘤を触知せず、マンモグラフィでのみ指摘される石灰化病変の発見が増加しています。このような病変の診断に対し、当院ではステレオガイド下マンモトーム生検機器を導入し、マンモグラフィをみながら直接病変に針を刺し、細胞を採取することで正確な診断に努めています。
乳癌の治療は、手術、抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬剤(ハーセプチン)、放射線療法の組み合わせです。最新の知見に基づいて個々の乳癌の状態により最適の治療法を提示するとともに、患者さんの希望に極力沿った治療を心がけております。
乳房にしこりのある方、乳房手術を希望される方はいつでもご相談にいらして下さい。また、毎週火曜日午前に乳腺専門外来を設置していますので、セカンドオピニオンを希望される方は是非ご利用下さい。
外来診察表
診療時間 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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午前 | 9:00-11:30 | 平口 松村 | 児嶋 川村 | 平口 橋田 | 乳腺外来 (予約のみ・交替制) 手術 | 平口 川村 | 肛門外来 (9:00-10:30) (予約のみ) |
午後 | 14:00-16:00 | 橋田 | 手術 | 松村 原 | 児嶋 (14:00-15:00・予約のみ) ストーマ外来 (交替制) | 橋田 原 |
※休診や診療制限等については新着お知らせをご確認ください。
お知らせ
特になし。
医師紹介
平口 悦郎
副院長 兼 感染管理室室長 北海道大学医学部 昭和62年卒業- 所属学会
- 指導医等の資格
日本外科学会指導医
日本消化器外科学会認定医
日本内視鏡外科学会 内視鏡外科手術技術認定医
日本乳癌学会認定医
マンモグラフィー読影A級認定
日本救急医学会 ICD
- その他
主な経歴
函館中央病院を含む道内医療機関で研修
昭和62年 北海道大学病院
平成 5年 苫小牧王子総合病院
平成 8年 伊達赤十字病院
橋田 秀明
診療部長 兼 ICU副センター長 北海道大学医学部 平成7年卒業- 所属学会
- 指導医等の資格
外科学会
- その他
主な経歴
平成 7年 函館市医師会病院
平成 8年 NTT札幌病院
平成 9年 苫小牧王子総合病院
平成10年 北海道大学病院
平成13年 国立函館病院
平成19年 北海道大学病院
松村 祥幸
消化器外科科長 秋田大学医学部 平成13年卒業- 所属学会
- 指導医等の資格
日本外科学会指導医
日本消化器外科学会指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
検診マンモグラフィー読影医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- その他
主な経歴
平成13年 函館中央病院
平成14年 小樽協会病院
平成15年 製鉄記念室蘭病院
平成16年 北海道大学病院
平成17年 王子総合病院
平成18年 北海道大学病院
平成20年 旭川赤十字病院
平成24年 北海道大学病院
平成25年 函館市医師会病院
原 敬志
外科医長 北海道大学医学部 平成元年卒業- 所属学会
- 指導医等の資格
医学博士
日本外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
日本消化器外科学会がん外科治療認定医
日本肝胆膵外科学会評議員
- その他
主な経歴
平成元年 岩見沢労災病院
平成2年 函館市医師会病院
平成4年 北海道大学病院
平成7年 市立旭川病院
平成15年 北海道大学病院
平成18年 江別市立病院
平成28年 北海道中央労災病院
令和5年 函館赤十字病院
川村 武史
外科医長 山梨医科大学 平成16年卒業- 所属学会
- 指導医等の資格
日本外科学会専門医
- その他
児嶋 哲文
臨床顧問 北海道大学医学部 昭和53年卒業- 所属学会
- 指導医等の資格
日本外科学会認定医
日本外科学会外科専門医
日本外科学会指導医
日本乳癌学会認定医
日本消化器外科学会認定医
日本消化器外科学会指導医
日本大腸肛門病学会専門医
日本大腸肛門病学会指導医
日本胸部外科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器病学会指導医
検診マンモグラフィー読影医
日本感染症学会ICD認定
日本内視鏡外科学会技術認定
- その他
主な経歴
昭和53年 北大病院麻酔科にて研修
昭和54年 伊達赤十字病院 外科勤務
昭和55年 釧路赤十字病院 外科勤務
昭和56年 北大学病院 第二外科勤務
昭和59年 愛育病院 外科勤務
昭和62年 北海道大学医学部 第二外科助手
平成 2年 愛育病院 外科勤務